味覚の変化で注意すること

子供のころに苦手だった食べ物が、大人になるにつれて美味しく感じた経験はありませんか。
人間の味覚は歳とともに変化すると言われていて、高齢者になると様々な変化が起こると考えられています。
そこで味覚の変化の基礎知識や注意したいことについて解説します。
目次
味覚について
人間の味覚には塩味や甘味、酸味や旨味、苦味の5つがあります。
この5つの味を感じる取ることで食べ物を美味しく食べたり、食べる喜びを実感することが出来るのです。
味覚を感じ取っているのは、舌です。
舌の表面にある小さな突起がセンサーとなって、微妙な味の違いを察知してます。
センサーから脳に情報が伝わり、どのような味なのか判断しているのです。
味覚を感じる舌のセンサーは人間の新陳代謝によって、約10日ほどで生まれ変わります。
10日経てば新しい細胞に生まれ変わり、味覚に変化が訪れると言われています。
また味覚があることで人間は危険を察知することができ、腐っているものや毒があるものを回避することが可能です。
味の異常さに気付くことが出来れば、自分の健康を守ることに繋がります。
加齢による味覚変化
人間の味覚は体調や季節によって変化することもありますが、歳を重ねることで味覚が変化することも珍しくありません。
歳を重ねることで味覚が変化する原因の一つに、味を感じ取る部分の味蕾が減少することが挙げれます。
高齢者の味蕾の数は新生児と比べると3割程度少なくなっているという研究結果もあり、加齢によって味覚を察知するセンサーが少なくなって衰えるのです。
これはどのような健康状況の人でも起こりうるというもので、誰でも味覚が変わる可能性があります。
加齢によって唾液の量が減っても、味覚が変わります。
唾液が減ると口の中が乾燥してしまい、味覚が鈍感になります。
口の中の潤いが無くなると味蕾の働きが低下し、より味を感じにくくなるケースもあるのです。
しっかりと噛むことも難しくなり、食べ物の味も薄くなります。
薬による味覚変化
薬の影響を受けて、味覚変化が起こることもあります。
これは薬の副作用の一種で、様々な病気の治療のために薬を飲む機会がある高齢者に多い原因となっています。
薬を長期間服用していると亜鉛不足になりやすく、味覚障害が起こる仕組みです。
薬を飲み始めてから味を感じなくなってしまったときには、医療機関に相談することが大切です。
亜鉛不足を誘発させる薬には血圧を下げる薬や利尿剤があるので、注意します。
日々の食事で味覚変化に気を付けましょう!
楽しく食事をし、きちんと栄養を摂取するためにも日頃から食事に気を付けることが大事です。
味が薄いと感じるからと塩辛い味付けにすると健康を害することもあるので、味が薄くても満足するような食事を心掛けます。
塩を抑える代わりに旨味を引き出したり、出汁をきかせて薄味を感じさせない工夫をしましょう。
物足りないと感じるときには梅干しやお酢などを使って、少し刺激がある味にすると満足しやすくなります。
味覚の変化と上手に付き合う
歳を重ねると、ほとんどの人が味覚に変化が訪れます。
味覚に変化が無いと食事がつまらなくなったり、生きる喜びを感じられなくなることもあります。
そんなときには味覚の変化に上手く対応して、どのような対策をすれば楽しく食事が出来るのか考えましょう。
困ったときには専門家である医師や薬剤師、栄養士や介護士などと相談して味覚の変化と上手に付き合いましょう。