
春先になると花粉症で体調を崩す人が多くなります。子供から大人まで様々な年代でみられる症状ですが、実は高齢者は花粉症になりにくいと言われています。
免疫力が低くなってきている高齢者はなぜ花粉症になりにくいのでしょうか?
目次
免疫力が高いと花粉症になりやすい
一般的に免疫力が高いと体が強い、免疫力が低いと体が弱くて病気にかかりやすいイメージが持たれています。確かに免疫力を上げる事は良い事ですが、上げ過ぎると逆に発症する病があり、その典型的な例が花粉症になります。
免疫力が高い人は花粉に対しても免疫機能が働く結果、鼻水や咳、喉の痛み、目の痒みなどアレルギー反応が出てしまうのです。
つまり花粉症は免疫の高低が左右していると言っても過言ではありません。生まれて間もない乳幼児は免疫力が低い代わりに花粉症の発症率は少なく、ある程度免疫力がつく5~10歳ぐらいになると患者の数が増えてきます。最も症状が現れやすいのは30代40代で、ピークを過ぎると発症率は減っていき、症状も出にくくなっていきます。
免疫力を低くしようとしても意味なし
免疫力が低い方が花粉症の症状は出にくくなりますが、無理に低くしようとしても意味がありません。
そもそも元々アレルギー体質であった人が免疫力を低くしたところで、簡単に症状が抑えられる訳ではないのです。特に加齢とともに生活習慣病やがんの発症リスクが高くなっていくため、体の免疫力がないと花粉症以外の他の病気にもかかりやすくなってしまうのです。結論から述べると、花粉症にベストなのは免疫力が高過ぎる事もなく低すぎる事もない状態です。
適度な免疫力を保つにはバランスの良い食事や質の高い睡眠、適度な運動などが必要になります。
高齢者の花粉症発症が増えつつある
一昔前までは、免疫力が低下してきた高齢者は花粉症が発症しにくいと言われていました。しかし年々、高齢者の中にも花粉症を発症する人が増えてきています。
その背景にあるのは、戦後に一斉にスギやヒノキが植えられた事で、樹齢が30年を超えた頃から花粉症患者が多くなってきているのです。高齢者のアレルギー反応は甘く考えてはいけません。
咳や痰、喘鳴、息苦しさなどの症状が現れ、重症化すると命を落とす危険性もあるのです。ただの風邪と軽く考えず、まずは医療機関受診、そして花粉症と診断されれば抗アレルギー薬で症状を抑えていく必要があります。
花粉症の症状があれば必ず医療機関を受診しよう
高齢になると風邪などの症状も長引く傾向にあります。
鼻水や咳は風邪にもよく見られる症状なので、花粉症との区別が難しいものです。ただ特に治療を受けないまま放置していると、取り返しのつかない事にも成り兼ねません。自分が花粉症であるか違うのかは、病院で検査を受けて診断するしか方法はありません。
自己判断せず、速やかに医療機関を受診する事が大切なのです。