加齢とともに進行する老人性難聴

高齢になると、人の話が聞き取りにくくなることがあります。何度も話を聞き返さなければならないときは、老人性難聴かもしれません。
老人性難聴の症状や対策、周囲の人ができることなどについて、ここではまとめてみました。
目次
老人性難聴とは
老人性難聴は、加齢によって耳の機能が低下して人の声や音が聞き取りにくくなる症状のことです。
耳の老化が進む60代以降は、老人性難聴に悩む人が増える傾向があります。
老人性難聴は、耳の奥側にある内耳という部分にトラブルが生じて起こるケースが多いです。内耳は音を感知して、脳に伝える働きをしています。このような部分にトラブルが生じる老人性難聴は、音を感じる力が低下する感音性難聴に分類されます。
ちなみに、音を集める外耳や音を振動で内耳に伝える中耳にトラブルが生じるのが伝音性難聴です。
老人性難聴になると、言葉の聞き分けが難しくなったり、高い音が聞きとりにくくなったりします。自分の話声も実際より小さく聞こえることから、会話をするときの声が以前より大きくなる人もいます。
補聴器を活用しよう!
老人性難聴は、補聴器を使った治療をおこなうのが一般的です。
補聴器は、音を聞きとりやすくして日常生活の質が低下するのを防ぐ医療機器です。さまざまなタイプの製品が市販されており、症状に合わせてオーダーメイドで作ってもらうこともできます。
補聴器を使うことで、音が聞き取りやすくなり、人とのコミュニケーションがスムーズにできるようになります。
老人性難聴になると、自信喪失によってうつ症状などに陥る人も少なくありません。補聴器を使った治療は、このような二次的な症状を防ぐうえでも効果が期待できます。
周りの人ができること
身近なところに老人性難聴の高齢者がいる場合、周囲の人の気遣いも役立つことがあります。
たとえば、言葉をゆっくりと話すように意識したり、やや声を大きくして話したりすれば、相手もスムーズに言葉が聞き取れるかもしれません。
雑踏などのいろいろな音が混じり合う環境では、とくに言葉の聞き分けが難しくなるケースが多いです。「静かな場所に移動してから話をする」なども、言葉を聞き取りやすくするためのアプローチになるでしょう。
加齢が原因の老人性難聴には早めに対策をしよう
老人性難聴は、加齢によって耳の機能が衰えることが大きな原因です。
聞こえ方がこれまでと違ってきたときは、早めに耳鼻咽喉科を受診して耳の状態をチェックしてもらうのがよい方法です。
補聴器を早期に使い始めることは、日常生活を送るうえでもいろいろなメリットがあります。
周囲の人の協力で改善できることもあるため、症状があるときは身近な人にも相談してみましょう。