死に至る場合も・・・「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」について

「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」は近年患者数が増加しており、特に高齢の患者が多いことから問題視されている病気の一つです。
タバコが主な原因といわれていますが、いったいどんな病気でどのような症状が出るのか、またどういった点に注意したらよいのかについて見ていきましょう。
目次
「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」とは
「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」は、タバコの煙など有害物質を含む空気を長期間吸い続けることで起こる呼吸器の病気です。
患者の多くは喫煙者で、特に中高年男性が多くなっています。
鼻から入った空気は気管支を通って肺胞へ渡り、肺胞では酸素を血液中に取り入れ二酸化炭素を排出するガス交換が行われます。しかしタバコに含まれる有害物質は気管支や肺胞を傷つけてしまうため、このガス交換がうまくできなくなってしまうのです。
症状
COPDの初期症状としては、しつこい咳や痰が挙げられます。これは気管支の炎症によるものです。
病気の進行は比較的緩やかですが、炎症が肺胞まで進むと呼吸がスムーズに行えなくなって、息切れや息苦しさを感じやすくなり、喘鳴(ぜいぜいといった呼吸音)が聞こえるようになります。
最初は坂道や階段を上るときに息切れをする程度ですが、病気が進むにつれて日常生活のちょっとした動作でも息苦しくなり、最終的には呼吸困難に陥ることもあります。
気になったらすぐ病院へ!
日本人の三大死因はがん・心臓病・肺炎ですが、最近ではCOPDが増加しており、いずれは死因の第3位に入ると予想されています。
中高年に発症することが多いため加齢などによる合併症や併発症を伴うことが多く、最悪の場合命にかかわることもある病気です。
少しでも症状がみられたときには、すぐに病院で診察を受けましょう。COPDは完治の難しい病気ですが、適切な治療やリハビリにより、ある程度生活の質を維持することが可能です。
老人ホーム選びにも注意を
高齢の方でCOPDの症状が進み、在宅酸素療法が必要な場合は老人ホームを選ぶ際にも注意が必要です。
酸素ボンベの扱いは医療行為に当たるため、介護スタッフが行うことはできません。必ず医師か看護師が常駐し、在宅酸素療法に対応しているところを選びましょう。
こうした老人ホームでは日常の健康管理や定期検診、万が一の際のケアなどもしっかりしているので安心です。
重症化すると老人ホーム選びにも制限が・早期発見早期治療が何より大事
COPDは病状が進むと酸素ボンベが手放せなくなり、日常生活にも大きな制限ができる病気です。
完治することは難しいので、自覚症状が出たら早期に病院を受診し、禁煙や治療をしっかり行うことで進行を抑えるのが第一義となります。
在宅酸素療法となると入れる老人ホームも限られてしまうので、そこまで進んでしまう前に手を打つことが大切です。